電動スケボーの開発
社員を有志で集めて、サークル的にモノづくりしてみました。
その主幹社員が紹介ブログ書いてくれましたのでご覧ください。当社では今後もこうしたワクワク楽しめる取り組みを行っていく予定です。
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最近, 海外では電動スケボーが流行っているようですね.
調べてみると構造は意外と単純でスケボーにモーターと電池をくっつければいいだけです. これなら自作できるかもという事で, 実際に電動スケボーを自作してみました。
全ての部品を自作すると大変な時間がかかってしまうので半分自作, 半分既製品を使って作っていきます。
設計
今回はFusion360を使い部品を設計しました。
製品化する予定も今のところは無いので部品むき出しでスケボーの裏にすべての部品をくっつけていきます. 以下が設計中の画面です。
消化器
簡易消化器をリチウム電池が燃えた場合に備えて取り付けました.。この位置関係で電池が燃えていれば取り出す際に手が焼けるんじゃないかとか, このサイズでは消火できないんじゃないかなど懸念はありますが無いよりはいいだろうと考えて取り付けています。
バッテリー
バッテリーにはリチウムイオン11.1V, 3000mAhを3つ直列で接続しました.。バッテリー1個あたり3つの電池が入っているので合計すると9セル直列です.。リチウム電池1個あたり最大4.2Vですので、全部合わせると合計37.8Vとなります。
電池の充電回路は複雑になるので今回は省略しました。充電するときは外付けの充電器を接続します。この作業は不便なので, 最終的には充電回路を内蔵してしまいたいところです。
電池ホルダーはA5052のアルミ合金をCNCで切削して作りました. スケボーの大きさが思っていたより小さく電池ホルダーを2段重ねで配置しています。
VESC
VESCは電動スケボーの中で最も重要なパーツだったりします。
モーターを回すには通常モータードライバが必要です.。モータードライバはラジコンの世界ではESCやアンプと呼ばれています.。ラジコンショップではではたくさんのESCが売られていますが, どれもラジコンカーやドローン用で電動スケボーに適した物はありません。そこで今回はVESCを使用しました。
VESCは海外の方が設計されたオープンソースのモータードライバです。非常に性能が高く最大で50Aの電流を流すことができ, 人が乗ったスケボーのモータでも簡単に回すことができます。
VESCの作者さんもVESCを使って電動スケボーを製作されているようです。電動スケボー用にはVESCはぴったりです。
モーター
モーターはもともとラジコン飛行機用のブラシレスモーターを電動スケボー用として使います。
モーターのKV値は213kvです。 スケボー用として使う場合は回転速度よりもトルクの方が重要となってくるのでkv値は出来るだけ低めの値を選びました。
下の写真はモーターの組み付け中の様子です。
電気配線
VESCとバッテリー, モーターを下図のように配線しました。単純に電池を3つ直列に接続してキャパシタを通してVESCに接続しています。
図のキャパシタは63V 1000μFの物を使用しています.。モーターの逆起電力が大きいのでバッテリーの電圧よりも高めの耐圧の物を選んでいます。
VESCの設定
ハードウェアが完成すれば最後にVESCの設定をして完成です。 VESCは設定項目がたくさんありすべて正しい設定をしなければモーターはうまく回りません。電池の電圧やモーターに流す電流の最大値, モーターの最大回転速度等を設定していきます。 今回作ったスケボーにも小さな不具合がありました。 現在のモーターとVESCの組み合わせで, VESCがFOCモードの時には回転速度の計測がうまくいかないようです。 これではうまくモーターが回りませんでした。 BLDCモードではうまく回転速度の計測ができるので, 現時点ではVESCをBLDCモードで動作させています。 FOCモードでうまく動かすにはもう少し調査が必要そうです。
完成
VESCの設定が終われば完成です。
※写真等も後日UP予定。
体重58kgの筆者が乗って動かしてみましたがいい感じに動いてくれました。 上り坂もなんとか登っていけます。 若干パワー不足感があるので上り坂をスムーズに登るにはもう少し電池の数を増やして電圧を上げる必要がありそうです。
最後に
この電動スケボー製作にあたっては、あまりハードに詳しくない同僚、先輩にも協力して貰いました。 この場を借りてお礼申し上げます。 ありがとうございました。 ハードウェア作りの楽しさを知ってもらえればうれしいです!
このようにVESCを使うことで電動スケボーは意外と簡単に自作できてしまいます。
ただ簡単にスピードを出せてしまうのでちょっと危ない部分もあります。 電動スケボーに乗る際は,まず普通のスケボーを自由に乗りこなせるようにしてから電動スケボーに乗るとより安全かもしれません。
ちなみに筆者はこのスケボーで転んでしまいました…
これから電動スケボー自作しようという方はくれぐれも気をつけてくださいね
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