モダンでイケてる お金 市場価値に関して

モダンでイケてる環境・ツールの会社でPGとして高給を得たい。
みたいな話をよく聞きますので、その辺りの話を超主観でしてみよう。

※なんか朝の3時半に目覚めて、急にこんなことを思ってしまい寝れなくなったので書きなぐりで超長文・乱文です。

(エンジニア業界に10年以上在籍して、各種IRを見るのが趣味で、スタートアップ・WEB系の会社の中の人の声も聴いていると、 いろいろと思うところがあるものなのです。)

 

前提として、上位1%程度の天才的なプログラマーは除外します。そこまで能力が高い人は周りが活かし方を放っておかないので…

「そこそこアンテナが高くて、そこそこ優秀っぽいエンジニア」を対象にします。

を対象にします。

①「系の種類・規模」と「致命的度」と「需要と供給」をきちんと客観的に把握していますか?

②モダンな環境 への投資メリットと合理性に関して。レガシイな環境が無くならない理由。

③~おまけ~ シリコンバレーの報酬はなぜ高い?

というお話。

 

 

まず、お金の話で①

単純に「給料を上げたい」と思っている人は「系の種類・規模」と「致命的度」と「需要と供給」を確認しましょう。

「系の種類」
系とは組織とそのステージを指します。(報酬はしょせんその組織の財布の中からしか出ません。みんな属する組織の営業利益とかはちゃんと知ってますか?笑 )

・ステージAのIT会社(系の規模:小)
デッドオアアライブの状態。
資金調達は完了。後は製品化と黒字化を目指すのみだ!失敗すれば倒産。社長は命がけ。生きるも死ぬもみんなの頑張りと商品次第!

・ステージBのIT会社(系の規模:中)
製品化は完了し何とか黒字化。
CSと維持保守、機能改修と法規制対応、セールス等にリソースを割く段階。

・ステージCのIT会社(系の規模:大)
既に安定した事業がある状態。
第2の矢、第3の矢を模索している。すでに大きな組織になっていることが多い。

・大企業Sier(系の規模:大)
その名のごとし。マネジメント中心な事が多い。

・中堅Sier(系の規模:中)
その名のごとし。細かい設計業務とドキュメント管理が多め。

・中小Sier(系の規模:小)
その名のごとし。コーディングから保守まで何でもござれ。

まず、尖ったスキルを持ったエンジニアが稼ぎやすいのは、
リスクをまったく厭わない経営者がいるステージAの会社かもしれません。

このステージの経営者は成功確率を1%でも高めるためであれば何でも考えます。

「1000万以上の年収提示をしないと契約できないが、ものすごく優秀なエンジニア。」

といういかにもうさん臭いエージェントからの紹介を、受け入れる可能性があります。
(日本 特に愛知だとあまり見ないケースですが…)

どうせ失敗すれば「倒産と死の覚悟。」ですからね。

成功確率が少しでも上がるのであれば考えるのは当然でしょう。
経営者の血尿と物凄いプレッシャー、失職リスクと引き換えに高給をゲットできるかもしれません。
※微妙に毛色が違いますが、研究開発部門とか研究開発系企業もこの領域に属します。最近では言葉だけのAIとか…

この領域は総じて解散リスクが高めで契約期間が決まっていることが多い。(アップルも自動運転部門リストラしたりしますしね)

逆にそれ以外の5種類、特に中規模以上の系は給与形態が規則化しているケースが殆どなので、自分の存在の「致命的度」と、「需要と供給」をきちんと把握した方がいいです。

技術スキルを磨くだけで「給料を上げろー!」と言い続けても悲しい事にきっと大して上がりません。

致命的度とは何ぞや?

 

→そもそも人手不足なんで「技術者は総じて貴重だろ!」と言われるかもしれません。

確かに社員は総じて貴重ですし、技術者も然り。貴重です。
でも人手不足というのは、

「100人いてほしいけど70人しかいないなー残念。。どうしようも無ければ事業計画リスケだな。」

という状態が殆どであり、

「100人いないと事業回らないのに5人しかいない」

という状態では無い事が多いのです。

究極の話、「Aさんがいなくても会社は何とか運営できる。」
という状態であればAさんに大した報酬上昇要因がありません。

つまり「自分のこの能力が無ければこの系は死ぬ」というレベルで、自分の致命的度を磨く必要があります。

そして厄介なことに致命的度というのはプログラミング言語やツール類の知見だけで伸ばす事が非常に難しいです。

なぜならそれらは「どうにかすれば代替可能な領域」だからです。代替出来るのであれば死に至りません。

※誤解のないよう補足しますが、技術は貴重ですよ。エンジニアへの敬意は持った上での記載なので悪しからず…僕の方が一層代替可能な人材ですしお許しを。

(前述したように上位1%ほどの自信がある方はその道を突き進んでください。その方が多分社会のためでもあります。)

さらに「需要と供給」です。

「Reactを使うPJとか、TensorFlowで機械学習系のPJにアサインされたい人~?」

と社内公募すると多分めちゃくちゃ手が上がります。(実際にスキルがあるかどうかはさておき。)

でも、

「最新の環境で開発するPJの責任者としてマネジメントしたい人ー?」

とすると恐らく殆ど手が上がりません。

通常、人間は責任というリスクをとりたくないからです。

 

前者はチャレンジしたい層を含めると供給はそれなりにあるので、教育コストさえ考慮すればどうにかなる可能性があります。

でも後者は、そもそも供給がゼロに近いのです。

こうった論理から責任者とかマネジャーとか呼ばれる人達には、代替不可能な背景があり、それなりの報酬上昇要因があるのです。(あいつは立場だけでスキルも無いのに口出しばかりで高い給料貰いやがって!と愚痴る前に背景を理解しましょう。)

リーダーシップ とか マネジメント経験 とかがもてはやされてしまうのもメカニズム上、仕方が無い部分があるのです。

 

 

また、「基幹系エンジニア」もこの理由で高級取りになれる可能性があります。

 

「スキルがレガシイで人気が余り無く、供給が少ないわりに需要が常に一定数ある。」だからです。

 

最新技術を殆ど追っていない、基幹系畑一筋のベテランがそこそこ高給取り。という理屈はこうして出来上がります。

若い人からすれば不満の種かもしれませんが、一種仕方のない側面でもあるのです。

 

 

 

②モダンな環境 への投資メリットと合理性に関して。レガシイな環境が無くならない理由。

 

基本的に経営陣は合理的な考えしかしません。

「古いからダメです!」 は絶対に通らないと思った方が良いです。

 

SE「老朽化がヒドイです!作り直しましょう!」

経営「老朽化したら何がダメなの??」

SE「えっ!?」

経営「えっ!?」

 

的なすれ違いが未だに結構あります。

経営陣は合理性が認められない理由で投資判断をしないのが普通です。

解りやすく家の老朽化で考えてみましょう。こうなるのが落ちです。

(1)

借主「老朽化がヒドイです!作り直してください!」

家主「老朽化したら何がダメなの??」

SE「すきま風がひどくてとても住めません!」

経営「じゃあ毛布を支給しよう!」

 

(2)

点検「老朽化がヒドイです!このままだと10年以内に10%程度の確率で崩れます。作り直しましょう!今なら1000万で出来ます。建て替えると1億はかかりますよ!」

経営「よしわかった!崩れないよう祈りながら、まずはあと9年放置しよう!金は積立てしとくし安心せえ!」

点検「えっ!?」

経営「よっしゃよっしゃ!ええ判断したわい。」

 

加えて、決裁者の役割に任期がある(大多数がそう)場合は、

「臭い物に蓋をする」という必殺技も発動します。

後任者が作り直せば、ワイの任期中は予算使わんですむわ(^ω^) のロジックです。

 

 

要は、古いからダメ!という方面でのアプローチばかりが採用されており、「最新の環境にすればかかった費用以上の効果がクリティカルに見込める」というアプローチがおざなりにされているのです。

 

新しいモノを取り入れたい場合は、その人の評価に影響を及ぼす範囲で費用対効果の説明をきちんとしましょう。

でも、費用対効果を訴える事が難しいケースも多々あります。

そんな時は下記をお勧めします。

・プライドに訴えかける

このシステム状態では同業他社のいい笑いもので、業界の恥ですよ!

・欲望を煽る

こういう環境にすれば同業から羨望の的で、皆から憧れられる存在になりますよ!

このシステムに上手くリプレースできれば社内でも随一の評判を得られますよ!

・その他の利益につながる

こういうシステムを作れば、絶対〇〇社が興味を持ちますよ!新規ビジネスにつながる可能性があります!

 

 

ヴァージョン管理とかSNSとかチャットツールとか開発環境とか…

色々と変えたい人は沢山いるかと思いますが、自分本位で訴えるばかりではなく、こうした考えを持つこともお勧めします。

 

③~おまけ~ シリコンバレーの報酬はなぜ高い?

 

………

 

 

家賃めっちゃ高いよ。。。笑

 

 

冗談ぽく書きましたが、最低限の人数に入社してもらうための標準報酬は各国で違って当然です。

日本だと20万程度で新卒者とか経験少なめの方が来てくれたりするのです。それが良いか悪いかはさておき、来てくれる以上はそんなに一気に上昇する要因がありません。

こんな事を同じ土俵で比較し出すと、日本人よりよっぽど勉強しているエンジニアの卵がベトナムとかではもっと安い賃金で採用出来たりしますしね。

日本でも月10万とかにすれば多分一人も採用できないですよね。

シリコンバレーもそうで、一定額を下回るとまったく採用できない。というラインがあるのでしょう。

それが様々な要因で高くなっただけだと思います。

こんな事に対して一々目くじらを立てる人は、さっさとシリコンバレーに行けばいいよ。

シリコンバレーで挑戦するほど自信はない。家庭の事情もあるし現実的では無い。でも同じエンジニアなんだしシリコンバレーで貰っている人たち並みの報酬は欲しい。

は気持ちは解らなくも無いですが、いくら言っても多分実現不可です。(ステージAのような過熱している領域での報酬は除く。)

僕は英語喋れんし、そんなビジネススキル的に自信も無いので、日本のメカニズムの中で和気あいあいと楽しんでいこうと思います。

 

 

まあ~~

つらつらと雑な文章を書きましたが、あれもこれもしたいのであれば、周囲の環境側からそうさせたくなうようなアプローチも考えようね。というお話でした。

高い給料を支払いたくなったり、良い開発環境を準備したくなるような、気持ちの良いアピールが来ることを期待しております。

 

ちなみに僕自身はジョブスの最後の言葉やバフェットの考えが好きなので、質素倹約をモットーにして、小さな幸せを実感できる方が健康で文化的な良い人生を歩めるんじゃないかなと考えています。