トップ幹部育成セミナー28:ベンチャー・ビジネスから東証1部上場への成長

テーマ
ベンチャー・ビジネスを33年かけて東京証券取引所1部上場企業に育てた創業者

セミナー最終回となる今回のテーマは、
「ベンチャー・ビジネスを33年かけて東京証券取引所1部上場企業に育てた創業者」です。
わずか数名で創業した会社が東京証券取引所1部にまで上場するまでの経緯から我々が今後歩み目指すべき姿を指し示して頂きました。

1964年     創業
1964年~1996年 ベンチャー・ビジネス時代
1997年     公開企業となり新たな成長
2007年     東京・名古屋証券取引所一部上場

<ベンチャー時代>
1.成長
・社員の大半が技術系高校、工業高専、大学工学部
・顧客サービス最優先という創業者の指導により、
まじめで手を抜かないので顧客よりの評判は高い
・経済環境が良かった1980年代までは、スキ間産業として成長
・1990年代から、厳しい競争の時代に

2.問題点
・社員は平社員から、リーダー、マネジャーと昇格しても業務内容は変わらず現場担当に専念
・期末に全社合計の経常利益を計上し、支店ごとの正確な業績評価が不可能
・基本となる統一された評価基準がないため、上司の固定概念に基づいており不公平

<転機>
1.1996年11月店頭公開(現ジャスダック市場)
2.証券会社指導で、経理規程を含め、諸規程を改訂整備
3.会長(創業者)は、後継者の外部からの調達を決意
会社の経営基盤を高め、極めて堅固な会社になれるかという点で不安が強かった

<経営改革のスタート>
1.ガバナンスを機能させるために取締役会の改革
・取締役18名⇒取締役5名
・役付取締役廃止
・取締役任期2年⇒1年
・執行役員制度を新設

2.組織改革
・支店長が採算意識が持てるよう組織を細分化
・細分化された組織単位をビジネス・ユニットとし
ビジネス・ユニット・マネジャーを設ける

3.技術者の育成
・技術者のマネジャーに業績データの管理、予算達成義務
・技術者のマネジャーに顧客密接の営業を要求
・技術者のマネジャーに品質管理、安全管理、労務人事管理

4.ユニット・マネジャーへの要求
・有能な個人となれ
才能、知識、スキル、勤勉さによって生産的な活動を行う
・組織に寄与する個人となれ
組織目標達成のために、自分の能力を発揮し組織の中で他の人たちとうまく協力する
・有能な管理者となれ
決められた目標を効率的に、効果的に追求

5.内部統制制度の活用
・統制環境(人々の誠実性、倫理的価値観、能力、経営者の哲学・行動様式等)
・リスクの評価(リスクの識別・分析)
・統制活動(経営者の指示が実行されていることの保証)
・情報とその伝達
・内部統制が正しく実行されているか監査し、取締役会に報告

6.その他の改革
・関係会社に対する管理権の強化
20%以下の持ち株比率を 51~100%に拡大
・支店・営業所の新規開設
・新卒採用
文科系大学よりの女子総合職採用
大学院・大学理工系の採用の増加

<講師からのメッセージ>
1.企業の価値創造
2.経営力強化(財務基盤の強化・収益性アップ)

・先行きを読む独自の分析方法
・背中を見ている社員を意識 = 個人自我の抑制
・美しいものに感動する感受性
・人間に対する洞察力

まとめ
同じく数名で創業したアルカディア・プラスが手本とするべき企業である。
今後の進むべき道、多くの課題を見つけることが出来た。
これまでの全てのセミナーを活かし、個人の成長と会社の成長を達成する。
また、個人と会社が成長した姿でこれまでのセミナーの恩返しをする。