トップ幹部育成セミナー18: コーポレートガバナンス
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- コーポレートガバナンスの問題
今回は、昨年から日本企業でも問題となっている大手家電メーカの不適切会計、杭工事のデータ偽装問題に大きく関わるコーポレートガバナンスについて講義して頂きました。
コーポレートガバナンスの問題
まず始めにコーポレートガバナンスとは何かと言う事ですが、よく日本語では「企業統治」と訳されていますが、ただ単に自らが定めた企業の統治システムを真面目に守ることでは不十分です。
もともとガバナンスには、投資家の立場に立っていかにして投資効率を上げるのか「経営者に対して、収益性を高める努力をするように圧力をかける」という意味合いもあります。
ガバナンス強化の沿革
東京証券取引所
- 1999年 コーポレートガバナンスの充実を、上場会社に対し要請
- 2003年 株式会社の監査等に関する商法の特例に関する法律改正
- 2004年 ガバナンス原則の策定の要請
- 2006年 ガバナンスの報告書の制度化
- 2009年 独立役員制度の導入
- 2015年 コーポレート・ガバナンス・コードの適用
日本ではこの様に様々なガバナンス強化が行われてきました。しかし、それでもガバナンスの問題が発生してしまいます。
それは意図的にトップがルール違反をトップ圧力で押し付け、しかもそれを隠してしまう事で真実が隠されてしまいます。
また、社長が議長を務める場合にも、不都合な議題を挙げないが為に不祥事を防ぐ事が出来ない事が多くあります。
会社のトップがルール違反を犯したり、不都合な事象を隠ぺいしたりする事は絶対に起こしてはいけない事象ですが、先に掲載した通り、収益性を高める努力をする必要もあり採算性の無い事業を継続して行く事もガバナンスの問題の一つと知り大きな投資を行う時には、どの段階で事業に見切りを付けるのか決めておくことも大事な事なのだと感じました。