トップ幹部育成セミナー15: 大手家電メーカの不適切会計
テーマ
- 経営トップの暴走
暴走 ガバナンスは機能していたか - 大手家電メーカに何が起こったのか
不適切会計の実態
今回は、大手家電メーカの不適切会計を題材に、ガバナンスの仕組みでは国内トップの1社と評価されていた大手家電メーカがなぜ1500億円を超える巨額の不適切会計を行ってしまったのかを講義頂きながら、参加者全員で意見交換を行いました。
大手家電メーカは、2003年に委員会設置会社に移行し、ガバナンスの仕組みでは国内トップの1社と評価されていました。
委員会設置会社では、取締役会の下に下記の3委員会を設けています。
各委員会はそれぞれ取締役3名以上で組織され、その過半数は社外取締役となっています。
- 指名委員会 取締役の選任や解任に関する議案決定
- 報酬委員会 個人別の役員報酬決定
- 監査委員会 取締役・執行役の職務執行役の監査及び、監査報告書の作成
この様にガバナンス機能を構築していたにも関わらず不適切会計を防ぐ事が出来なかった理由の一つに経営トップを含めた組織的関与が有った事が挙げられるのではないでしょうか。
経営トップや幹部職員の関与により、財務報告に関わる内部統制機能を逸脱し、無効化してしまっていました。
経営トップが直接所管している部門では、経営トップの意向に反するような事項については指摘できなかった疑いもあります。
これにより内部監査部による内部監査が形だけの物となり、内部監査として十分に機能していなかったと言えます。
未然に防ぐ体制が在ったにも関わらず起きてしまった今回のケースを、もう二度と起こさない為にはどうするのか?色々な意見交換も行いましたが、今後も継続して考えていくテーマとなりました。